こんにちは。ミニマム志向型コピーライターのゆきたかです。
普段、広告会社でコピーライターをしております。
広告=ミニマリストの敵
と有名ミニマリストたちは全会一致で言っております。
(少なくとも、僕が読んだ著書では全員が)
しかし、それは事実ではありません。
事実は、
クソな広告=ミニマリストの敵です。
では、いい広告とは何なのか。
いい広告またはキャッチコピーは、新しいライフスタイル・価値観を提供するもの。
そのコピーを読んで、「そんな生活いいなあ」「価値を感じる」気づきのあるもの。
単純に、心を動かす力のあるものです。
強引に「売る」ことだけを考えた言葉はそもそも、生活者の心を動かしません。
しかしながら、広告は広告主がお金を払って出しているもの。
想像以上にこちらの、生活者のことを考えたクリエイティブ提案は聞き入れてもらえません。
世の中に流れる広告が大体クソな事情はそういうことです。
(そうじゃない、こうゆうことを言いたいと改変されるうち、世の中に流れてるような大体同じ広告になる)
説得しきれない我々も悪いのですが。
話を戻すと、広告そのもの=ミニマリストの敵ではありません。
と言いますか、ミニマリストで生計を立ててる人たちは、ブログやアフィリエイト広告で多くの収入を得てきたはずなのに、彼らがそれを言うのはさすがにずるい気がします。
脱線しました。
この記事で何が言いたいかと言うと、“いい広告”もあるよってことです。
むしろ、ミニマリズムがあるキャッチコピーも沢山あります。
一部を紹介します。
ぜひ、楽しんでいただいて参考になれば幸いです。
※キャッチコピーは、受け手次第なところもあるので僕の解釈で考えます。
Contents
ほしいものが、ほしいわ。
ほしいものが、ほしいわ。
糸井重里 / 西武百貨店
多分、一般的に一番有名なコピーライターの糸井重里さんのコピー。
(ほぼ日のひと。ジブリのキャッチコピーとかも書いてますね)
西武には本当にいいものだけ置いてますということですが、非常に本質的な言葉。
「本当に、じぶんにとって欲しいものだけを手にしましょう」
というストレートなミニマリズムコピー。
反対に、安物買いはやめましょうとも言っている。
なんにもしないをするの。
なんにもしないをするの。
古居利康 / 西武百貨店
同じく西武デパートのコピー。
ミニマリズムコピーとして、僕が一番好きなコピー。
“なんにもしていない”時間が好き。
そして“なにもしない”ことを、自信を持って“するの”と言えるのがいい。
ひとからみれば“退屈”、でも自分からすれば“最低限でしあわせ”。
自分自身が満足できているかが、一番大事なのです。
私、誰の人生もうらやましくないわ。
私、誰の人生もうらやましくないわ。
児島令子 / パナソニック
Panasonicの名コピー。
1999年がオリジナルで、2016年の時代に合わせたバージョンもあるそうで。
人と比べない、「足るを知る。」というミニマリストの王道コピー。
社名の上についている「ふだんプレミアム」というコピーもいいですね。
まさに、しあわせは日常にあふれている。
たくさんを求める必要はない、ということです。
日本を休もう
日本を休もう
生手マサミ 角田誠 / 東日本旅客鉄道
JR東日本のキャンペーンコピー。
疲れて余裕がなくなっているなら、一度減らして休みませんか。
あるいは、日本はもう少し減らして休んだっていいんじゃないか?という大きいコピーにも聞こえます。
無理するくらいなら、自分が手の届く頑張り方もアリじゃないでしょうか。
やがて、いのちに変わるもの。
やがて、いのちに変わるもの。
岩崎俊一 / ミツカン
ミツカンのスローガン。
2004年から現在も使われているコピー。
コピーライターの岩崎さんは亡くなっているものの、コピーは生き続けている。
その背景を知れば、「やがて、いのちに変わるもの。」がより染みる。
口にするもの、そして私たち自身もいずれは次の命につながって行く。
そう考えれば、大量に消費する虚しさを感じるのではないでしょうか。
岩崎さんは胸が熱くなる本質的なコピーが多く、とても勉強させていただいています。
が、中にはこんなコピーも。
「服を買いに行く服がない。/ そごう」
広告コピーとしては、いいコピーですが…。
消費のための消費を促す、超マキシマリストコピーですね苦笑
結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私は、あなたと結婚したいのです
結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私は、あなたと結婚したいのです
坂本 美慧 / ゼクシイ
佐久間由衣さんが出演してた時の、ゼクシイのコピー。
こんな気持ちで結婚できたなら、とても幸せですね。
コピーとしてはゼクシイが「結婚しなくても幸せになれる」って言えちゃうのが素晴らしい笑
見栄とかそんなモノのためでなく、結婚したいからする。
本当に大事なものを大切にする、ミニマリストな感覚があると思います。
CMもめちゃ素敵です。
「物を大切に」100回言われるより、1回つくるほうが、身につく。
「物を大切に」100回言われるより、1回つくるほうが、身につく。
窪田倫明 / コニシボンド
ボロボロと余計なものを買わなくなる。
そして、こういう考えの親であれば、子どももモノを大事にするようになるのかなと、ふと。
あとは、直すたびにモノに対して愛着も生まれますよね。
例えば、かけてしまった茶碗を、手直しして使う。
わびさびの感覚です。
昨日は、何時間生きていましたか。
昨日は、何時間生きていましたか。
仲畑貴志 / パルコ
大巨匠、仲畑さんのコピー。
仲畑さんはミニマリストコピーが多く、選びきれないほどです。
「昨日は、〜」のコピーに、内田裕也がNYのハドソン湾で泳いでいるビジュアルでした笑
人生は、自分が所有しているモノや、社会的価値ではない。
今日「昨日しあわせに生きた」と思えるかどうか。
それは、足るを知るミニマリストの考えと近いです。
世の中、バカが多くて疲れません?
世の中、バカが多くて疲れません?
仲畑貴志 / チョコラBBドリンク
同じく仲畑さんの、超炎上コピー。
当時で掲載停止なので、いまなら数時間で停止じゃないですかね。
結局、コピーの通りバカの苦情で停止に苦笑
(そこまで計算されて、このコピーをつくったそうですが)
周りの人たちが何を言ってきても「世の中は、バカなんだ」と思うことで、自分なりの「最低限の満足」を追求すれば良いという背中を押してくれる言葉。
生きるが勝ちだよ、だいじょうぶ。
生きるが勝ちだよ、だいじょうぶ。
仲畑貴志 / セゾンカード
同じく、仲畑さん。
セゾンカードでは「一緒なら、きっと、うまくいくさ。」という名コピーもあります。
自分が足りていると思えれば、それでいい。
周りが何言ってこようが大丈夫だよ、というやさしい応援コピー。
なんでも揃う世の中で、命がひとつとは面白い。
なんでも揃う世の中で、命がひとつとは面白い。
仲畑貴志 / 熊本県警 安心交通くまもと
またまた仲畑さん。
大量消費してみたところで、命はたったひとつ。
本当に自分を大切にするには、どのようにモノと向き合えばいいか考える機会に。
なにも足さない。なにも引かない。
なにも足さない。なにも引かない。
西村佳也 / サントリー山崎
ウイスキー山崎の名コピー。
『一番ピュアな状態=足りている状態』
であれば、何を足す必要もないし、引く必要さえない。
そういった状態を目指せれば、ミニマリストに近づける。
口に入れるものですから、山崎という商品への信頼感は大切です。
素晴らしいコピー。
飲む時は、ただの人。
飲む時は、ただの人。
眞木準 / サントリーホワイト
「でっかいどお。北海道」の眞木準さんのコピー。
こちらもウイスキーのコピー。
一緒に飲む人が、こういう人たちであれば「無駄な飲み会」なんて存在しなくなる。
ミニマリストなら“飲む時は、ただの人”になりましょう。
私たちには給料日がある
私たちには給料日がある
わたし、定時で帰ります
最後に、ドラマのコピー。
吉高由里子さんが言い放った、名コピー。
そんな多くを求めなくたって、給料日があるじゃん。
そういう軽やかさも、とてもミニマリズムだなと。
ちなみに、吉高さんは定時で帰りますが、その分効率よくきちんと仕事を終わらせます。
あと、定時で帰りますが「結婚後も働きたい」というくらい意志を持って働いている。
(すごい!ぼくは少しでも嫌なことあると、すぐ辞めたくなるのに…)
さてさて、ミニマリズムな名コピーいかがでしたでしょうか。
広告=ミニマリズムの敵という固定観念でみないでもらえると嬉しいです。
カレンダーにして飾りたいくらいですね。
ちなみに相田みつをさんの「人間だもの」の日めくりカレンダー部屋に飾ってます笑
しあわせはいつも自分のこころがきめる
みつを
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