コピーライター/CMプランナー

広告代理店CMプランナーの仕事の流れ全部紹介します

こんにちは。僕は、広告代理店(今は正式には、広告会社と呼ばれる)のクリエイティブ部門に所属し、コピーライターやCMプランナーをしております。

近頃の広告代理店ではコピーライターも、コピーだけでなくCM企画も行います。

新卒で入社した時の肩書き的にはコピーライターになると思いますが、そこは垣根なく企画作業を幅広く行います。

もともと、CMの企画をやりたいと思って広告代理店に入社したこともありラッキーな状況です。

CMプランナーに興味のあるひとに、有益な情報になれば幸いです。

CMプランナーって何

名前の通りTVを中心にCM(ここでは、ムービー・動画を指す)の企画を行う仕事です。

ソフトバンクやauのような大量にテレビに流れているCMは、電通・博報堂などの代理店と一部の有名クリエイターたちの仕事というのが現実ですが、それでも自分が企画したCMも時折TVに流れたりします。

TV世代の両親はそれを見て結構喜んでくれたりするので、そういうところはCMのいいところだと思います。クリエイティブの良し悪しとはまた別の話ですが。

実は、英語には「CMプランナー」という言葉は存在せず、広告代理店のクリエイティブはコピーライターかアートディレクターの二つに分類される、というのが世界のスタンダードのようです。

最近は、インタラクティブプランナーとか、様々なプランナーも増えていたりしますが。

以前は、TVがCMの中心で、15秒30秒60秒などでいかに、商品を訴求できるかがポイントでした。

今やWebが年々増えていて、TVが強い日本でも2019年現在で、デジタルの広告費がTVの広告費を超えそうな勢いなので、CMプランナーのつくる動画の範囲も広がっていきます。

Web上で、じっくり商品を説明できるような長尺のものや、反対にYouTubeで動画の前に流れる6秒のバンパーなど短尺のものも、普及してきました。

その他、テレビは縦横比率が16:9ですが、スマホは縦長なので、それに合わせた動画をつくってみたりと、クリエイティブの幅も広がっています。

ちなみに、日本の代理店のクリエイティブは、大体コピーライター、アートディレクター、CMプランナーに分けられるという話は、前回のコピーライター編をご参照ください。

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新卒が知っておきたい代理店CMプランナーの仕事の流れ

特に企画決定までのプロセスはグラフィックと共通するところも多いですが、大きく異なることが1点あります。

グラフィックにおいては、制作のクリエイティブディレクションを主に行うのは広告代理店のアートディレクターですが、CMでそれを行うのは代理店のCMプランナーではなく(もちろん、最初から最後まで関わりクリエイティブに口を挟みますが)、CMディレクターと呼ばれる監督です。

映画では、制作の代表として、映画監督がフィーチャーされていますが、それのCMヴァーションと考えて間違いはないと思います。以下、細かく説明します。今回はTVCMの制作と仮定して説明します。

CMプランナーの仕事の流れ

①オリエン

前回のコピーライター編と同じく、クライアントから今回どんな広告を作りたいと考えているかをヒヤリングする場です。

TVCMは、制作費が一番かかる傾向にあるので、TVCMと一緒にグラフィックを制作するケースが多いです。

②企画コンテ

提案資料として、グラフィックではビジュアルイメージの伝わるカンプを制作しますが、CMでは「企画コンテ」というものを提案します。

いわゆる漫画のネームのようなCMの内容が伝わる「絵コンテ」と、予算に余裕がある場合は絵コンテや映像素材を編集ソフトでつないでCM同じ長さの映像「ビデオコンテ」(通称Vコン)を制作します。

人によりますが、CMプランナーもイラストを描くプロではありません。

そこで、ちゃんとした競合プレゼンなどでは、CMプランナーがラフに描いた絵コンテを「コンテライター」と呼ばれる専門のライターが綺麗に書き直します。

CMプランナーとしては、絵が上手いことより、人の心を動かし商品が売れる企画を考える力の方が断然大切になります。

実際、棒人間レベルの絵しか描けない、そもそも絵すら書かないプランナーもいます(文字だけのシナリオ「字コンテ」でも企画が伝われば十分です)。

個人的には、どう絵を面白くするのが、コピーライティングにはないCMのミソだと思うので、楽しんで絵コンテ描いています。

絵コンテの一例

絵コンテ例

③プレゼン/企画決定

ここは、グラフィックと一緒です。

④監督選定

ここから、制作パートに入ります。

上記のようにまずグラフィックと異なるのは、CMを制作するときには「CM監督(ディレクター)」が制作表現のディレクションを受けもつことです。

CMプランナーとCMディレクターの仕事は、別々のものになります。

グラフィックでは広告代理店のアートディレクターが通しでクリエイティブディレクションをしていたのが、CMではプランナーとディレクターに分かれて行うということです。

まれに、ディレクターまでするCMプランナーもいます。

表現の基本的なディレクションはディレクターが行いますが、もちろん代理店のCMプランナーも最後まで関わります。クリエイティブディレクター(CD)とともに監督のディレクションに対し意見を出して、全員で表現をブラッシュアップしていくイメージです。

代理店に入る前は、CMプランナーとCMディレクターが分かれていることさえ、はっきりとわかっていませんでした。

そのため、この後のプロセスもイメージが湧いていませんでした。業界未経験の方も同じだと思うので是非チェックしてください。

⑤演出コンテ

プレゼンで通った企画コンテを、実際に15秒30秒で表現していく中で「演出コンテ」というコンテにブラッシュアップしていきます。

演出コンテを書くのは、ディレクターです。

CMプランナーが企画コンテを書いた時点では、企画を伝えることをメインに考えるので、演出コンテでは、15秒や30秒の中でより面白く伝わるのか感動的に伝わるのか表現をブラッシュアップしていきます。

企画コンテの場合は、コンテライターに書き直してもらってクライアントにプレゼンしますが、演出コンテは監督が描いた絵でそのまま進行します。

しかし、プランナーと同じく絵が上手い人ばかりではないので、ときどき現代アートのような絵を描いてくる監督もいたりして、毎回演出コンテを見るのは楽しみです。

体裁自体は、企画コンテとほぼ同じです。

⑥各スタッフ選定

グラフィックと同じく、カメラマン、ライトマン、スタイリスト、ヘアメイク、美術などを監督がプロデューサーと話しながらアサインしていきます。

CMでは、音楽が入っているケースが多いので音楽家や振付師も同じく監督がアサインします。

グラフィックに比べて、やることが多岐にわたっているためプランナーと監督が分かれているとも言えます。

⑦ロケハン/スタジオ手配

ドラマや映画でもよく聞く話ですが、屋外の撮影であればロケーションハンティング(通称ロケハン)を行います。

屋内撮影ではハウススタジオや白ホリスタジオ(白い壁に囲まれたシンプルなスタジオ)を案件ごとに手配します。

⑧PPM

グラフィックと同じく、撮影前最終確認のプレプロダクションミーティング、通称PPMを行います。

PPMはクライアントに対する最終確認なので、ここは代理店のCMプランナーがクライアントにプレゼンしにいきます。

⑨撮影

タレントものであれば、実際に演技しているのを観られるので楽しみです。

ただし、プランナーとしては撮影を無事進行させることに神経を使っていてそれどころではないのもありますが。

⑩仮編集

編集作業は、仮編集と本編集の2回に分かれています。

撮影した素材を実際にTVで流れるつながりで、並べ替えながら編集する作業が、仮編集(オフライン編集とも呼ばれる)です。

後述のグレーディング、本編集、MAは仮編集して並べ替えた素材をもとに進めていくので非常に重要なプロセスです。

監督が、エディターと一緒に制作したオフライン素材を、CMプランナーやCDの意見を交えつつブラッシュアップし、クライアントにプレゼンしにいきます。

以降、素材のつながりを変えることは基本的にできないので、ここで15秒30秒の流れを確定させておく必要があります。

11.グレーディング

グレーディング、あるいはカラーコレクションと呼ばれる色味調整の作業です。

撮影したままの素材では、色味がイメージにまだ合っておらず(生っぽいという)、理想の色味に合わせていきます。

TVで流れているCMでは、ほとんどが色味を調整され完成度の高い状態でオンエアされています。

12.本編集・MA

本編集は、グラフィックでいうとレタッチのような作業を行います。

タレントであれば、肌の調整。ほかにも、映ってはいけないものを消したりします。

同じタイミングでMA(Multi Audio)と呼ばれる音調整を行います。

ナレーションや音楽、音量調整(TVにはオンエアすることのできる音量に決まりがありそれに合わせる)をします。

音楽はオリジナル要素が入っているものは、事前に音楽家を絡めてブラッシュアップしておきます。

ここまでの段階で、映像自体は完成します。

13.プリント

TVでオンエアしていくために特殊な仕様でデータを書き出す必要があり、それをプリントと呼びます。

詳細は、僕も把握しきれていないので、ざっくりそのような作業があるとりかいしていれば十分です。

プリントは、ビデオテープのようなものに書き出すのですが、当然デジタル化され始めていて収益の仕組みも過渡期にあります。

14.局納品

最後に、放映する各テレビ局にプリントした素材を納品して終了です。

企画演出コンテや仮編集の段階で、代理店の営業を通して局に考査をかけて確認OKをもらっています。

表現上、そのままTVにオンエアして大丈夫かの確認です(差別表現や青少年に悪影響を与えないようになっているかなど)。

「※CM上の演出です。」みたいなのは、TV局から入れてくださいと言われていれてるやつです。そこ入れる必要ある?みたいなときもあり「※CM上の演出です」が逆にギャグっぽい時もあります。

通して見ると企画は最初のパートだけですが、基本のディレクションは監督がするにせよ、CMプランナーのやることは多いです。

色々なCMプランナー

コピーライターと同じくCMプランナーも広告代理店所属、広告制作会社所属、フリーランスの3種類に分かれます。

広告代理店のCMプランナー

コピーライターと同じく、広告代理店社員の5%くらいがCMプランナーだと考えられます。

上記の仕事の流れで触れたように、企画はもちろん制作に入っても、制作の責任者として監督とともに企画がよく伝わるように表現を練り上げていく必要があります。

クライアントや営業とプロデューサーや監督などの制作陣の板挟みになることも多く、正直しんどいこともありますが、企画しているのは楽しくやりがいがあります。

CMプランナーも代理店では、働き方も人それぞれです。

  1. 自分で絵コンテまで書くプランナー
  2. 企画はするけど、字コンテまでしか書かないプランナー(絵が下手とか企画重視だとかで)
  3. 企画も、フリーのプランナーなどに任せてディレクションだけやるプランナー(年次が上がって1人で仕事を回している人など)

中堅以下の代理店だと③みたいなプランナーも多いようです。

広告制作会社のCMプランナー

映像系の広告制作会社の演出部にいるプランナーです。

住み分けは定かでないですが、演出部内でもプランナー寄りでやりたい人と、ディレクターになりたい人がいる様です。演出部がしっかり整備されているのも、東北新社やTYOや太陽企画など制作会社の中でも規模の大きい会社が中心になります。

視点としては、TVの場合は企画性より15秒30秒の中でどう表現するかを重視しているプランナーが多い傾向にあると感じています(もちろんプランナーによります)。

フリーランス

コピーライターは名乗ったもの勝ちなところもあると思いますが、CMプランナーはいきなりフリーでスタートしても仕事を手にするのはなかなか難しいと思います。

YouTuberもCMプランナーといえばそうなので、チャンスは広がっていると思いますが、ことTVCMのプランニングにおいては、未経験スタートのフリープランナーがしているのは見かけないです。

Web動画は反対にYouTuber系プランナー方が企画に慣れていたりするかもしれませんが、15秒30秒の企画は全く異なるものであると個人的には感じています。

そのため、フリーのTVCMのプランナーは、結果を残して独立したグレートプランナー元代理店や制作会社所属のプランナーの2種類あると思います。

前者では、博報堂出身の福部明浩さんなどが有名です。代理店プランナーと同じく制作ディレクションまで行います。

後者は、代理店のCDやCMプランナーから仕事が来る場合が多いので、企画だけ行い撮影などは同行しない働き方になると思います。

新卒・既卒でCMプランナーになるためには

未経験からCMプランナーを目指すには、新卒で広告代理店か制作会社に入社する。

既卒の場合は、下記の講座に通うなどして作品集(ポートフォリオ)を作って制作会社の演出部を目指す手があります。

未経験の場合、代理店の中途はなかなか難しいと思います。

ポートフォリオの作品を充実させるヒントとして下記、ご参考にどうぞ。

養成講座

コピーライターと同じく宣伝会議がCMプランニング講座を持っています。

上記は、有名クリエイターが来て話をしてくれると言うイメージなので、本格的に新卒あるいは既卒でCMプランナーを目指すには、映像テクノアカデミアという専門学校のようなカリキュラムのある場所で長期的に学ぶのが就職への近道だと思います。

現在、有名なCM監督もここの出身の人がたくさんいます。

オススメ本

コピーライター教本に比べるとずいぶん少なくなりますが、代理店のプランナーが書いた本という視点で電通の高崎卓馬さんの本がオススメです。最近文庫版出た様です。

あとは、アドタイとかでググった方が情報が出て来るかもしれません。例えば、

https://www.advertimes.com/20151126/article209575/

など、ためになる記事も。

この記事は、もうCMプランナーになっている若手向けの内容ですが。

コンペ

CMプランナーにとって一番の公募コンペはBOVAというコンペです。

ただし、作品のクオリティが年々上がっており、受賞作品は広告代理店と制作会社がチームを組んでつくっている場合がほとんどなので、未経験者の作品がここに並ぶのは難しいと思います。(学生であれば学生賞があるので挑戦しましょう)

そこで、未経験の方にはコピーライターと同じく宣伝会議賞があります。

キャッチコピーの賞として有名ですが、実はCM企画も同時に公募しているので(しかも字コンテでも、絵コンテでもOK)、未経験の方はこちらへの応募で作品を増やしていきましょう。

「CMプランナーになるには」の記事をもっと詳しく書こうと思うのでよろしければ後ほどご覧ください。

TVのCMプランナーの場合は、コピーライターよりさらに人数が少なく若干敷居が高い感じもするので、なかなか情報を得にくかった印象ですが、参考になれば幸いです(自分がググれてなかっただけかも..)。

お読みいただきありがとうございます。

コピーライターの仕事編の記事はこちら>>

広告代理店コピーライター/CMプランナーに新卒でなる方法の記事>>

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