ミニマリスト

もしミニマリストという言葉がなくなったら、僕たちは代わりに何を使う?

こんにちは。三流かつC級未満コピーライターのYukitakaです。

少し前ですが、「ミニマリスト」に関する商標と言葉狩りに関して話題になりましたね。

ミニマリストに興味ない人は知らんでしょうけど。

(その前の、断●離事件に端を発し)

商標登録をしていた有名ミニマリストの方は、むしろ言葉を守るための意図を持って登録していたと説明されていたものの、結果商標登録を取り下げることになってしまったようです。

その出来事に対し特に賛同も批判もないので、この記事は、商標登録の良し悪しの話は置いておきます。

視点を変えて「では、もし『ミニマリスト』が、使えなくなったら、代わりにどんなネーミングにする?」をポイントに考えたいと思います。

ようやくコピーライターが書く意味のある記事になりました笑

あたらしくネーミングするかアダプテーションか

次世代ミニマリストのネーミング方法は、

  • 新ネーミング
  • アダプテーション

の2種類に分けられます。

広告用語なのか僕もよくわからないのですが、「アダプテーション(Adaptation)」は海外で制作された広告を、日本国内で流すときにローカライズする作業です。

世界的な商品を作っている外資系クライアントが、本国で作った広告と同じ素材をそれぞれの国で使いたいときに発生します。

つまり、広告の翻訳です(直訳という意味ではないです)

例えば、インテルのキャッチコピーで有名な「インテル、入ってる」と「Intel Inside」の関係です。

※ただしこのケースは特殊で、日本でつくられた「インテル、入ってる」のキャッチフレーズが「Intel Inside」に逆輸入されたパターンのようです。本来、インテルのようなアメリカにある企業は本国でつくったものを日本にローカライズします。

「ミニマリスト」は本来外来語?(海外発のコンセプト?)なので、それを日本人にピンとくるような言葉に翻訳し直すのがアダプテーションです。

それに対して、ネーミングは「ミニマリスト」という言葉が持つコンセプトを内包している、新しい言葉を生み出すことを意味します。

今回のケースでは(ケースと言いつつ、言葉狩りは実現しなかったので空想ですが)、「ミニマリスト」という言葉を使えなくなった状況です。

そのため、

幸い海外発のコンセプトっぽい(諸説あり)ミニマリストを翻訳するカタチで、アダプテーションするのか

完全に新しい言葉でネーミングするのか

2パターン考えられます。

ミニマリストたちや使っている人たちの抵抗が少なそうなのは①の方ですが、わびさびのような普遍的な言葉が見つかりそうなのは②の方です。

少なくとも、言葉が変わる時点で違和感は拭えませんね。

2014年の「脱法ハーブ再ネーミング事件(笑)」においても、脱法ハーブは案外、新ネーミング危険ドラッグで馴染みましたが、やはり浸透しきれず最近「危険ドラッグ」という言葉を全然聞かなくなりましたよね。

アダプテーションするケース

ミニマリストを辞書で調べてみる

では、アダプテーションするにあたって、ミニマリストの定義を明確化するところからスタートします。

いくつかのWEB英英辞典でmilimalistを調べてみると、

an artist or designer who uses a minimalist style – Cambridge Dictionary

一番、権威ありそうなケンブリッジ英英辞典では、「最小主義的な表現を使う芸術家」とあり、元々の表現としては、芸術の表現方法の1種であったとわかります。

(minimalistという言葉の定義にminimalistが入っているのって、どうなのケンブリッジとは思います)

その他いくつかの辞典でも、政治的な意味合いや、音楽の主義としての定義はあるものの、僕たちが頭に浮かべているようなニュアンスはありません。

仕方ないので、「Minimal」と「ist(ひと)」で分解。

Minimalとは、「最小(限度)の、極小の、極微の」といったニュアンス。

では、これらの定義をヒントに早速アダプテーションしてみましょう。

  • 最少主義男/最少主義女(さいしょうしゅぎおとこ、さいしょうしゅぎおんな)

うーん。間違ってはないけれど、なんだかものすごく違う気がします。

Twitterのプロフィールで、「最少主義男」とか書いていたら、フォロワーも減っちゃいそうです。

もうちょっと、この方向でネーミングを探ってみます。

  • 極微人(ごくびと)
  • 極小人(ごくしょうびと)
  • ミニマン
  • ミニマルマン
  • 最低ィスト(サイティスト)
  • ミニ男、ミニ女
  • リーストマン/リーストウーマン(least)
  • 少人(すくなびと)
  • 限少人(げんしょうにん、限界まで少なくする人)

面白くなりそうですが笑、やっぱりなんか違う気がします。

自分で書いといてなんですが、サイティストて!!

辞書の言葉をそのまま使うのにも限界がありますね。

上にも書きましたが、アダプテーションって別に直訳ではないので、もうすこし「ミニマリスト」の定義を深掘ってみましょう

ミニマリストの正しいニュアンスを捉える

僕らの理解する「ミニマリスト」は、2010年頃から使われ始めた言葉なため、辞書ではまだ定義づけが追いついていないものがほとんどのようです。

だから、ネーミングも響き的にはいいかもしれませんが、いまいち的を射ていないようなものになります。

そこで、正確に「ミニマリスト」という言葉のニュアンスを探します。

ミニマリストとしては先駆けの1つと言えるミニマリストの男性2人組みユニット”The Minimalists”では、

 

So what is this minimalism thing? It’s quite simple: to be a minimalist you must live with less than 100 things, you can’t own a car or a home or a television, you can’t have a career, you must live in exotic hard-to-pronounce places all over the world, you must start a blog, you can’t have children, and you must be a young white male from a privileged background.

OK, we’re joking—obviously.

(中略)

Minimalism is a tool that can assist you in finding freedom. Freedom from fear. Freedom from worry. Freedom from overwhelm. Freedom from guilt. Freedom from depression. Freedom from the trappings of the consumer culture we’ve built our lives around. Real freedom.

ミニマリストとは、100個以下のモノで暮らし、車も家もテレビも持たず、学歴やキャリアを持たず、発音さえよくわからない土地で暮らし、ブログを始めなければならず、子供を持たず、栄誉ある実績を持った白人男性(ジョシュア自身のこと)でなければならない。というのは冗談で、

ミニマリズムとは、あなた自身が生活の中に自由を見出すためのツールである。

 

と「ミニマリスト(ミニマリズム)」を定義づけています。

つまり実際のところ、どう一般に認知されているかはわかりませんが、一般的にはミニマリストは「モノも俗世間との繋がりも究極に少ないストイックな人」と認知されている一方、本来は「生活の自由を追い求めるために、必要のないものを減らしていくこと」である、という定義です。

ミニマリスト本の良書「ぼくたちに、もうモノは必要ない。」(佐々木典士, P50)にも同様に、

「自分に必要なモノがわかっている人」

「大事なもののために減らす人」

と定義づけられており、この考え方で間違いはなさそうです。

では、それ(「自分の生活に不要なものを減らす人」)を踏まえてアダプテーションすると

  • 生活最少主義者

といったニュアンスになってくると思いますが、「せいかつさいしょうしゅぎしゃ」なんて、長くて、カタい言葉は普段使いしにくく「ミニマリスト」の代替にはなり得ません。

その方向性でネーミングへ翻訳していくと、、

  • ヘラシビト(減らし人)
  • シンプリスト(普通に一番これが正しい気がする)
  • フリースト(自由を目指す人 free+ist)
  • 自由発起人(じゆうほっきにん)
  • リバティスト(Liberty自由+人)
  • ライフシーカー(Life Seeker、理想の生活を追い求める人)

ちなみに、一般に「モノをストイックに減らしていく(ちょっとヤバい)人」というニュアンスで受け取られているなら、そっちに寄ったネーミングがあってもいいと思います。

  • 減らし屋
  • 捨て活屋(すてかつや)
  • 捨活士(しゃかつし、字面難しい?)
  • ポイマン/ポイウーマン(不要なものポイする人、悪いニュアンスに取られる危険高し)
  • ステリスト(必要ないものを捨てる人)

うーん…。

新しくネーミングするケース

アダプテーションと新ネーミングと自分で分けておきながら、そもそもが「ミニマリスト」の再ネーミングなので二つの間に明確な境界はないのですが、強いて言えば(前提が壊れますが)新ネーミングは「ミニマリスト」が存在しなかったような想定で新しくネーミングする感じです。

定義として「自分にとって大事なもののために、モノゴトを減らしていく人」というのの、どこに視点を置くのかネーミングに生かします。

例えば、上の定義から広げて「日々のささやかさにありがたみを感じる人」に注目してもいいし、「不要なものは排除しまくる人」でも間違いでありません。

それぞれネーミングにすると

  • ささやかさん
  • ネセサリスト(necessary=必要だけ追い求める人)

と方向性が広がっていきます。

ここまでくると、コピーライターの自由度が広がってくる感じします。

という感じに、他の候補もサクッと考えてみました笑

  • モデスト(modest:適度な、謙虚なという意味と、〜な人という響きっぽい)
  • つつまひと(つつましい+真人、慎ましさに真摯に向き合う人)
  • リファイナー(refine洗練された+人、英単語ではrefinerは精製機という意味になってしまう)
  • ミニマキスト(minimum+maximum+ist、最小で、最大の喜びを得る人)
  • サンキスト(thank+ist モノを求めず、日々に感謝する人)

「人」の要素は入れたいので、語感が近くなるものは多くなりますね。

まとめ

全案まとめました(笑)

一応方向性と、全部の案まとめます笑

①ミニマリストという言葉をそのままアダプテーション

  • 最少主義男/最少主義女(さいしょうしゅぎおとこ、さいしょうしゅぎおんな)
  • 極微人(ごくびと)
  • 極小人(ごくしょうびと)
  • ミニマン
  • ミニマルマン
  • 最低ィスト(サイティスト)
  • ミニ男、ミニ女
  • リーストマン/リーストウーマン(least)
  • 少人(すくなびと)
  • 限少人(げんしょうにん、限界まで少なくする人)

②ミニマリストという言葉のニュアンスを、アダプテーション

  • 生活最少主義者
  • ヘラシビト(減らし人)
  • シンプリスト(普通に一番これが正しい気がする)
  • フリースト(自由を目指す人 free+ist)
  • 自由発起人(じゆうほっきにん)
  • リバティスト(Liberty自由+人)
  • ライフシーカー(Life Seeker、理想の生活を追い求める人)
  • 減らし屋
  • 捨て活屋(すてかつや)
  • 捨活士(しゃかつし、字面難しい?)
  • ポイマン/ポイウーマン(不要なものポイする人、悪いニュアンスに取られる危険高し)
  • ステリスト(必要ないものを捨てる人)

③新ネーミング

  • ささやかさん
  • ネセサリスト(necessary=必要だけ追い求める人)
  • モデスト(modest:適度な、謙虚なという意味と、〜な人という響きっぽい)
  • つつまひと(つつましい+真人、慎ましさに真摯に向き合う人)
  • リファイナー(refine洗練された+人、英単語ではrefinerは精製機という意味になってしまう)
  • ミニマキスト(minimum+maximum+ist、最小で、最大の喜びを得る人)
  • サンキスト(thank+ist モノを求めず、日々に感謝する人)

パッと考えたので、実際のネーミングの仕事の時はさすがにもっとちゃんと考えます笑

言葉として勘違いされないか、語感がいいか、難しすぎないか、他の言語でいい響きはないか、ネガティブに受け取られないか、などなど気にしながら精査していきますが、上の案は何も気にしてないのでなんか間違いとかあってもご容赦ください笑。

あと外資の代理店所属ではないので、アダプテーションの定義に間違いとかあっても、クレームは受け付けません笑

実際の広がり

この案いいとか、こんなのどうとか、絶対ないと思いますが、もしなんかあったら、twitterとかお問い合わせとかでご連絡いただけると、とっても嬉しいです。

僕のオススメは、悪く受け取られる可能性あるけど響きの可愛い「ささやかさん」と、ポジティブに捉えている「サンキスト(Thankist)」です。

と、ここまでネーミングに触れましたが、ネーミングが実際使われるかどうかは、ネーミングの良さもありますが、媒体にも大きく影響を受けます。

2014年に「脱法ハーブ」が「危険ドラッグ」になったときには、国が率先して掲載物やTVでの呼称など媒体を「危険ドラッグ」に変えていったので、スムーズでした。

ミニマリストに変わるあたらしいネーミングを勝手につくっているだけではなく、例えば超有名ミニマリストの人たちに今日から「〇〇」使いましょうと言ってもらうために、日夜頑張る草の根活動が必要になります。

 

てゆうか、起こり得ないことを色々妄想してしまいました笑

お読み頂きありがとうございます笑

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA